YOUTUBEとニコニコ動画、任天堂クリエーター奨励プログラムの狙いと比較
YOUTUBEとニコニコ動画
任天堂は2015年1月29日、自社コンテンツを使用したYouTubeアフィリエイト「Nintendo Creators Program」を開始しました。また、2014年11月17日、ニコニコ動画を用いたアフェリエイト「クリエイター奨励プログラム」を実施しています。人気任天堂は大手動画2サイトで公式に実況動画などを許可した事になります。マリオやゼルダなど任天堂の人気タイトルが目白押しです。許諾タイトルは以下のサイトで確認ください。
なお、両動画サイトでタイトルの違いはありません。YOUTUBEとニコニコの違い
決済方法
YOUTUBEはPayPalビジネスアカウントが必要になります。ニコニコは銀行振り込みが可能です。YOUTUBEは海外勢を視野においているため海外で常識化しているPayPalを利用するのは当然ですが、日本人だとあまり利用しないので少し難易度が高いですね。
報酬の可視化
youtubeには次の記述があります。
適用される法令を順守するため、またNintendo Creators Programへの参加条件として、あなたは任天堂コンテンツを含むあなたの動画に下記の情報開示を含める必要があります。
私は、Nintendo Creators Programのライセンスによって、この動画で任天堂コンテンツを使用しています。この動画は、任天堂による援助や支援がなされているものではありませんが、この動画から得られる広告収益は任天堂と分け合われます。
Nintendo Creators Programとは
ニコニコは次の通りです。
quoat:任天堂株式会社指定タイトルの著作物を用いた作品を投稿し、その作品が任天堂株式会社より許諾されると、あなたの作品が「任天堂株式会社 クリエイター奨励プログラム用親作品動画」の子作品となり、コンテンツツリーが作成されます。引用元:任天堂株式会社の著作物利用について
どちらも動画投稿者が報酬を受け取っている事を可視化していますが、YOUTUBEは明確であり、ニコニコ動画は少し分かり難い特徴があります。ニコニコ動画もいわゆる親作品動画にクリエイター奨励プログラム用親作品動画を付ける事が義務付けられていますが、動画説明、動画内に報酬を受け取っている事を記述する必要がないため、気付かない人は気付かないでしょう。
配信可能タイトルで気になった事
ポケモンシリーズがない
任天堂の人気シリーズ、ポケットモンスター。近年だとマリオ系よりも売り上げがある人気タイトルです。Getしたポケモンを紹介し合うなどソーシャル要素が高く動画に打ってつけのタイトルでもあります。もう、充分売ったから動画を許可しても意味がないと捉えたのか、ポケモンが許諾リストに入っていないのが不思議です。
ヴァーチャルコンソールの売上向上狙いか?
ゲーム動画配信許可タイトルは最新の3DSやWiiUだけでなく、ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイなどが含まれています。全てを調べたわけではないですが、配信許可のあるタイトルはヴァーチャルコンソールで販売しているタイトルがほとんどです。また、ゲームボーイアドバンスタイトルはVCで配信していないタイトルもありますが、他で移植され、そちらを配信していたりします。また、GBA関係はVCで今後新規リリースが増える事も予想できるため、今後への投資も考えられます。
1本道RPGの公式許諾
ネタバレタイトル
任天堂が許諾しているゲームのうち、何本かはストーリーを楽しむ事がメインで動画でラストまで語られると重大なネタバレになる購入意欲を削ぐ可能性のあるゲームが含まれています。いわゆる決められたストーリーを追っていく1本道RPGやアドベンチャーが許諾タイトルに含まれています。許諾されている数は少ないものの、これは注目すべき事と思います。
ゼルダの伝説 全作
ゼルダの伝説はアクションRPGです。アクションRPGはストーリーだけでなく、マップを動き回る楽しさや敵との戦闘など「動画だけでは楽しめない」魅力が詰っています。また、その動画外の魅力を動画で伝える事ができます。詳しく考察しなくても動画投稿を認めて任天堂にメリットがある事がわかります。
マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー
マリオ&ルイージRPG4は3DSで楽しめるRPGです。音楽はゲーム作曲家として有名な下村陽子さんが作曲しており、マリオのキャラ達が繰り広げるRPGです。マリオなのでストーリーはほのぼの系かと思いきや、実はRPGタイトルとして相応しいシリアスな話が楽しめる骨太さややりこみ要素の充実などRPGとしての出来は素晴らしいのです。販売本数は全世界で208万本。国内47万本(*1)。この数字は決して小さくないですが、まだまだ改善の余地がある数字です。そしてマリオのイメージから、重度のRPG好きだけどRPGとして面白くないのではないか?と考える層がかなりいるタイトルでもあります。4だけどストーリーは独立しており、この層の開拓に動画は最適なのではないかと考えられます。
アナザーコード:R 記憶の扉
アナザーコード:R 記憶の扉はWiiのタイトルです。前作としてDSで「2つの記憶」が発売されています。プレイヤーは謎を解きながら物語を進めていくわけですが、Wiiリモコンを利用した謎解きや仕掛けが大量に施されています。ゲーム動画を視聴する事でゲームを通してWiiの魅力を伝える事ができます。アナザーコードの売上を伸ばすのではなく、Wii及びWiiUの販売台数を上げる事が目的ではないかと思います。
まとめ
任天堂のクリエイター奨励プログラムはまだ始まったばかりであり、今後どうなるかは分かりません。ただ、RPGの許諾効果が認められた場合、今後の公式許諾にも大きな影響がありそうで注目していく必要があるプログラムのように感じました。