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美麗だけでなくシステムも作りこまれた新生スマホRPG「メビウスファイナルファンタジー」のレビュー

美麗だけでなくシステムも作りこまれた新生スマホRPG「メビウスファイナルファンタジー」のレビューです。攻略やレビューをお探しの際にご利用ください。

メビウスファイナルファンタジーのレビュー

美麗でサクサク動きロードが短い

今までのスマホクオリティを越え、少なくともPS3程度の高画質グラフィックの中、サクサク動くキャラ達、美しいムービー。まさしくスクウェア・エニックスでなければ実現できなかったスマホRPGだ。そして驚くべきはロード時間の少なさ。一番最初の起動時こそ多少の時間を有するものの、体感的には他のスマホRPGと比べても遜色ない速度だ。それこそ高画質を唄う他のゲームでメビウスFFより体感速度がかかるゲームは山ほどある始末だ。フィールドと戦闘の移行もほぼシームレスだし、メニュー画面への移行もあまり時間はかからない。ロードに多量の時間を有したFFアギトの面影は一切存在しない。

▲一部のシナリオではフィールドを直接操作する。ま、あくまでおまけですが。

プロモーションムービー

注目すべきはシステム

家庭用並のグラフィックでスマホRPGが楽しめる。メビウスファイナルファンタジーの前情報からはこの感覚が伝わってきた。反対にグラフィック以外の目新しさは事前情報になかった。しかし蓋を開けてみれば様々な点からオリジナリティを強調しようとする姿勢が伺える良作RPGだ。

男臭い

近年の家庭用ファイナルファンタジーは美男美女ばかりでホストRPGと揶揄される事がある。メビウスファイナルファンタジーもその勢いは受け継いでいて、ホストRPGと評される事もある。が、本作それ以上に男臭い。道行く人々はプレイヤーだ。そしてプレイヤーのアバターはジョブによって外見がまるっきり変わるが性別は男性固定だ。つまり普段プレイしている間、貴方はイケメンアバターと小さな妖精の男性しか姿を見ない。エンターテイメント性の強いゲームでこれは思い切った仕様だなと思う。女性プレイヤー狙いか?

だが、男性ばかりの中に登場するイベントキャラ「セーラ姫」やプレイヤーに付き添う「妖精」が殊更、美しくみえるし癒しになっている。

FF13をアレンジした戦闘システム

ストーリーが一本道でRPGらしさがあまり良くないと酷評されているFF13。しかし、その一方で過去最高の戦闘システムと評価されている。FF13-2、ライトニングFF13はこれがさらに発展し戦闘はとても楽しくなっている。メビウスファイナルファンタジーは順当進化とはいえないがこのFF13をアレンジした戦闘システムだ。おそらくFF13をプレイ済みの方はすぐにシステムに馴染んだだろう。

反対に、メビウスファイナルファンタジーから入ったプレイヤーは他のソシャゲRPGと戦闘システムが全く異なるため、複雑に感じるかもしれない。そんな場合は低レベル箇所でしばらく修行をしてみよう。戦闘に慣れてくる頃には奥深さが頭に染み込んでくるはずだ。

攻略を考えるのが楽しい戦闘

ちょっと複雑だが、それでも慣れると楽しい戦闘システムだ。他サイトのレビューを見るとポチポチゲーと評価しているところもあったが、とんでもない。パズルゲームのようなランダム的な要素がありながらも、かなり戦略的に考えないと苦戦するような難易度になっている。

上記でも書いたが、FF13のシステムをパーティー1人用にした戦闘システムなのでFF13プレイ者は問題なくプレイできるだろう。主人公は1ターンに3回攻撃ができる。ジョブや成長度によってこの回数は変わる。3回攻撃が終わると敵の攻撃だ。

通常攻撃を行うとエレメントがたまっていく。エレメントは各属性と回復の計5種ありランダムにたまっていく。このエレメントを消費してアビリティを使うシステムだ。また、エレメントをアビリティではなく防御に使用するとその属性攻撃に対してダメージを減らす事ができる。

メビウスファイナルファンタジーの大きな特徴はブレイクだろう。敵にはそれぞれブレイクゲージが設定してある。このブレイクゲージが0になってから指定攻撃回数分、敵がのけぞっており大ダメージを与える事ができる。体感的に通常時より5~10倍のダメージが与えられるため、どうやって効率良くブレイクさせるかを考える事が攻略の基本になる。ブレイクゲージを通常攻撃で削っても些細な量だが、アビリティで攻撃すると通常攻撃で大幅に削れるようになる。そのためブレイクを使わないと倒せない強敵の場合、アビリティ→通常攻撃数回、アビリティ→通常攻撃のパターンになる。

だが、ブレイクした後、敵が回復する前に敵の弱点分のアビリティは使えるようにしておきたい。そのためどのエレメントを使ってどのエレメントは貯めておくかなどの駆け引きが必要でありメビウスファイナルファンタジーの戦闘システムの面白さだ。少なくとも単純に殴るだけで先に進める従来のソシャゲRPGと異なり敵によってジョブやアリビティを適切にしながらも攻略法を戦略的に考えていく必要がある面白い戦闘システムになっている。

家庭用と異なり、ソシャゲRPGなのでやはりハクスラ系になっているのだが、このジョブシステムとこの戦略的な戦闘システムが混じって家庭用に近いコツコツ系のハクスラになっている事が興味深い。単純に課金して合成したら先に進めるゲームではなさそうだ。

フィールド

好きなクエストを選ぶのではなく、プレイヤーが位置する場所と前後のクエストのみ選択できる。そして別の位置のクエストを選んだら、その位置を基点にクエストを選択する仕様だ。各大きな拠点間でテレポができるため、場所の移動にそこまで困難は伴うわけではないが、ちゃんとRPGやっている気分だ。そして、道が分岐する場合もある。ちょっとした探索気分を味わえた。

▲フィールド画面は上がその場の風景、下が実際にプレイヤーが選択するマップだ。風景は常時動いている。

ジョブとアビリティ

プレイヤーはジョブとアビリティをセットして戦闘を行う。それぞれガチャで入手できる。ジョブは初めから3種類あり欲張らなければこの3種だけでも十分だろう。

ジョブにはデッキパネルがある。HP+50や魔力+10やアビリティを強化するパネルなどだ。それぞれ戦闘で入手できるシードを与えると強化できる。全てのマスを強化すると(必ず入手が難しいクリスタルを取得する必要があるが)その系統の新しいジョブと新しいデッキパネルが解放される。

ジョブと同時に4つのアビリティを装備できる。主には属性攻撃などかな。各ジョブと関連したスキルなら効果が上がる。そしてアビリティのレベルは戦闘後の経験値や合成だ。下手な合成より戦闘後の方が経験値が高いあたり他のソーシャルと差別化している印象がある。そして特徴的なのは、ジョブを強くするにはシードを入手してジョブボードに注ぎ込むのだが、戦闘後入手できるシード量はこのアビリティそれぞれに設定されている。そのため、アビリティは戦闘だけでなくシードも意識する必要が出てくる。

課金まわりが優しい

進化やそのレア度の限界レベルはメインシナリオをどこまで進めるかで制限がある。第一章クリア時点で☆1が☆2に進化できるようになるが、その他の進化はない。また最大レベルも増える。

課金通貨であるクリスタルはクエストクリアでランダム入手可能だ。もちろんスタミナがあるので取れる個数は決まっているものの、不具合お詫びやキャンペーンなど以外で課金通貨を配るのは難しい。その分、ガチャは課金通過のみでフレンドポイントなどは使用できないのだが。

また、ガチャなどで一度入手したアビリティはリバイバルポイントを使用する事で任意に入手する事ができるのも特徴だ。

メインシナリオのクリアに課金アビリティは無理に取得必要ない。メインシナリオでも課金最低レベルの☆3アイテムもメインで入手できたりもするので、課金せずにプレイできるようになっているようだ。もちろん高難易度ダンジョンがあるため、やり込む場合は課金が必要だが。

シナリオ

野島一成氏のシナリオが本作の魅力の一つとなっているらしい。第一章の時点ではパラミティアの存在や法則の説明、謎のばら撒きに終始しており、いまいち魅力は伝わってこないが、彼のシナリオの特徴は、明かされないけど想像できる複線、純愛をテーマにしたキャラ相関、奥深さなどだ。おそらく後半になるに従って、面白くなっていくだろう。FFシリーズの時も後半のシナリオ展開には涙が多かった。

言い回し感も洋画を見ている感じで練られている。少なくともFF13のようなちょっと外してしまった感はない。

今のメビウスファイナルファンタジーを紐解いていくと再構築にも近いFF1と似た世界観が気になる。セーラ姫、ガーランドの顔見せなどが最もだ。そしてセーラ姫とはクリスタル越しなだけで、まだ主人公は一度も現実に会っていない。また、街の存在感がないのも気になる点だ。具体的にはコーネリア城があるが、ブランク達(パラミティアに召喚された人)が守っており、コーネリアはおろか現地の住民が1人もいない。なんというか大地そのものにモンスターとブランクだけしかいないような雰囲気なのだ。この異様とも思える世界観にはどんな秘密があるのか非常に楽しみだ。ファイナルファンタジーVIIIのリノア魔女説みたいに大規模な語られない秘密が眠っていそうだ。

超コンテンツ不足

配信開始時の現在は第一章のみプレイ可能だ。第一章クリア後は経験値が稼げそうなクエストはスタミナ0高難易度のクエストもあるが、メインストーリーは1日もあればクリアしてしまえる量しかない。アップデートでシナリオが増えていけば面白くなってくる可能性があるが、現在は「おぉ、戦闘がすごく楽しいぞ!」ぐらいの感覚にしかならない。同問題は「時空ノ水晶」でも発生したが現在はメインコンテンツや新機能も増え、プレイがかなり楽しくなってきている。とすればメビウスファイナルファンタジーも時間の問題でより面白くなっていくだろう。

家庭用を期待してはいけない

家庭用のスタッフが本気で作ったスマホ版ファイナルファンタジー。これがメビウスFFの唄い文句だ。確かにいままでのスマホRPGより美麗且つ動きまくるし、戦闘はめちゃくちゃハマった。ムービーが綺麗なのでストーリーにも引き込まれる。スマホとしては最高の体験だ。だけどFF13以上に一本道のシナリオ、回復に制限がかかる戦闘システム、基本無料の成長バランスなどはやはりスマホの基本無料RPGだ。複雑でちょっと変わったスマホRPGをプレイしてみたい方には超オススメタイトルではあるのだが、家庭用を中心にゲームを遊んでいるユーザーに進めれるかどうかと聞かれると、やはりちょっと疑問かな。

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