攻略記事

ピットフォールⅡ(セガマークⅢ)

思い出

 プレイした回数こそ少ないものの、やたらと様々な場面を覚えているゲームの一つですね。
 世代が合うなら、とりわけクリアよりもトロッコに乗るためにゲームしていた人も多いのでは? と尋ねつつ、実は私は風船派だったりするのですが…。
 大体のアクションゲームにおいて、襲ってくる敵を迎え撃つ主人公というのは今も昔もセオリーですが、この主人公は丸腰で挑むんですよね。地底の探索だか宝探しだかを。
 となると操作アクションも限られてくるもので、この主人公の場合は上下左右の移動とジャンプのみという、なかなか見上げた根性ひとつで地下深くに潜って行くのです。体力自慢? いやいや、炎やトラップ、巨大な針ならまだしも、コウモリやカエルに触れるだけで昇天出来るひ弱っぷりです。どこぞの探検家ですら銃や隠しアイテムなどを駆使する能力を備えているというに、こちらはそれすらもない。恐らく宝探しとは彼にとってちょっとコンビニに足を運ぶ程度の内容なのでしょう。
 さて、散々言ってスッキリしたところで本題。
 このゲームの面白い所ですが、普通ならひとつの画面にひとつの空間を設けるため、自分が今どの辺を進んでいるのかが容易に判るのですが、このゲームの場合は一画面が最大三層に分かれており、そんなのが続く地下世界を右往左往します。画面は風船が出現するエリアのみ上下にスクロールしますが、その他のエリアのすべては固定なので、画面端に届いて次の面が出てもあまり変わり映えがなく、似たり寄ったりの背景を行き来する内、自分がどこに居るのか判らなくなる、という現象が多々起こりました。
 そんな困った現象も誰かと一緒にやっていれば楽しいもので、『そこさっき通らなかったっけ?』『そこじゃなくて、上の通路だよ』など、横やりを入れつつワイワイとやっていましたね。
 ゲーム全体的な性能としては、当時の技術や発想などをひっくるめた上でかなり優秀だったのではないでしょうか。
 少ないメモリでの単調な音楽は仕方がないものの、それでもしっかりと記憶に残っている訳ですし、トロッコや風船といった移動手段に変更した時の音楽もきちんと記憶に残っています。冒頭に触れましたが、ピットフォールⅡのプレイそのものは非常に少なく、多く見積もっても10回やったかどうかという回数です。…なのにこれだけ記憶に残っているという事は、やはりそれだけの魅力があったという証拠なのでは? と、考えております。
 ちなみに難易度は昔のゲームらしく、変に難しかった気がします。配置や敵の動きを記憶すればそうでもないのでしょうが…。私? 私は風船のところまでが精一杯でした。いや、別にいいんですよ。私は風船を掴んで空中散歩するのが目的でしたから、風船の紐を手に掴んだ瞬間からエンディング扱いとなるのですョ。

 ↑私を魅了した問題の風船。…メルヘンです。
 ところで、画面上部の変な奴は何でしょうか? 雰囲気ぶち壊しです。


 友人たちのお気に入りは風船ではなくトロッコ。これはレールの無い部分を落下しつつ、隣のフロアに移っている所。ピットフォールⅡ最大の見せ場の一つです。そして見た目に反して移動速度があります。


 内容が内容だけに、地上ステージはごく僅か。しっかりと目に焼き付けてから探索に臨みましょう。


 取り柄は高所落下耐性と無限の酸素維持。こればっかりはあの先生にも負けません!

はなうたBGM

  私は普段から一人の時は意識しないで鼻歌を奏でる事が多く、気が付くとフンフン言ってるような毎日です。当然、意識しないで曲を奏でる訳ですから曲そのものを選択する事は無いのですが、気が付くと高い割合でこのピットフォールⅡのメインをフンフンしてます。
 大好きだった風船の音楽も覚えているのですが、残念ながらトロッコの方は忘れました。イメージ的には忙しそうなメロディだった気がしますが、それ以上を思い出そうとすると、当時の友人の笑い声に変化してしまうのです。というのも、トロッコには終着点があり、終着点に着くと…というか、そこにある障害物にぶつかると、破壊されてしまうのです。
 障害物の手前にはトロッコ脱出用の吊り輪が配置されているのですが、タイミングがシビアでそれを掴み損ねると…、そう、主人公もろともトロッコはクラッシュします。
 友人はその主人公もろともクラッシュが大好きだったらしく、見る度に笑い転げていたのですが、…まあ、その印象があまりに強くてですね、というかうるさくてですね、トロッコの音楽があまり耳に届かなかったのですよ。

『コワイテープ』


 若い世代は『カセットテープ』と言ってイメージ湧きますかね? 磁気テープメディアのひとつで、今でいうHDやCDなどの前身と言えばピンと来ますかね。
 ピットフォールⅡ…というか、セガマークⅢを持っていた友人には年上のお兄さんが居たのですが、この方は人当たりが良く、たまにしか顔を合わせない私にも色々と親切にしてくれました。
 そんな友人のお兄さんはオカルト好きで、『幽霊なんかいねぇよ!』と意気込みながら心霊写真などの本を買い漁り、見て読んで震えているといった、年上なんですけどなんだか可愛い一面を持った人でした。
 そのお兄さん、ある時『いい買い物をした』と言ってひとつのカセットテープをチラつかせるのです。こちら側もお兄さんには好意を持っているので、当然『それなに?』という流れに。
 説明によれば、学校の一部で人気急上昇中の怖い内容のカセットらしく、とにかく怖いという曖昧な情報だけを信じて買って来てしまった代物でした。
 もちろん、購入者の本人は聞く気満々ですが、その本人が怖がりな性分であり、弟の友人はむしろ大嫌い分野。普段、大人しくお兄さんのオカルト話に付き合うのは、私が隣に居るからという理由から成立しているのでした。ちなみに私はオカルト…特に心霊系は大好きです。
 さて、無いに等しい情報だけを元に購入したカセットが開けられ、テープレコーダーに挿入されます。
 そして、再生開始…

 吹き荒れる強風と、森の中でしょうか、木々が揺れる音が聞こえます。風は強弱の加減を頻繁に変化させつつ、それでもいつの間にか遠ざかります。…と、入れ替わるように雷鳴、やや遅れて降り始めた強雨、その強雨に若干遅れて走り出す足音、そして大きくなる息づかい。
 不意に足音が止まります。そして木の板を叩く音、しかし、その後の音は無く、ただ雨と雷鳴が轟くばかり。
 ゆっくりと扉を開く音がします。古く、大きな木の扉の様です。そして大音響で落雷があり、開けた勢いを忘れさせる強い衝撃音と共に扉が閉まります。
 唐突に音が止みます。あれだけ騒がしかった外の音は扉の内側に入って来ないようです。
 僅かな間を置き、ゆっくりと足音が響き始めます。長い通路なのか、広い空間なのか、音のわりに反響は大きく、まるで何人かの人物が同行しているようです。すると…、
 キャーーーッ!!!!

『うわっ!? 焦ったぁっ!!』
 と、ここでお兄さんが驚いてカセットの停止ボタンを押して終了。
 どうやらあれですね、悲鳴以外は一切の肉声を使用せず、効果音だけで物語を進行する事で聞き手のイメージを膨らませる内容なのでしょう。確かに変なナレーションが入るよりも面白いかもしれませんでしたね。急に聞こえた悲鳴は反則でしたけど。
 ちなみこのテープ、3回ほど聞かせてもらいました。というか、付き合う羽目になりました。しかしお兄さんは、よほど悲鳴の先を怖く想像してしまうのか、毎回悲鳴のところで止めてしまい、結局全部聞くどころか3分くらいの所までしか知る事ができませんでした。うーん、ピットフォールⅡを思い出す度に同時に出てくる記憶なんですが、…モヤモヤしますね、これは。…カセットのタイトル? 知っていればとっくに聞いてる話ですってば。

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