攻略記事

伝説のオウガバトル(スーパーファミコン)

思い出

 一言に最高傑作ですね。いや、冗談抜きで。
 手の込んだゲームは様々なジャンルの中、それぞれに散りばめられているものですが、このタイトルもまた、きっと絶望するほどに手の込まれた内容に仕上がっています。じゃあ、どの辺が? このサイトの肝であるBGMはもちろん、キャラクター、シナリオ、ストーリー、グラフィック、全てにおいてです。
 特に目を見張る部分はと言えば、登場するキャラクターがそれぞれに持つ個性と考え方。どうして作者はそこまで一人一人の細部に渡るまで個性を創り上げたのかが気になる程にそれぞれの人生観が際立っており、正直、全キャラクターを主人公に見立てての小説だって描き上げられるのではないのでしょうか? そう言えるほどにとにかく内容が深いタイトルですね。

 …で、キャラクター性やストーリー性が深いばかりでなく、ゲーム性もこれまた深い。本当に『プログラム』された内容なのかと疑問に思うほどに主人公のちょっとした行動が常に『カオスフレーム』と呼ばれる数値を変化させており、それとは別に運要素が左右する『タロットカード』の内容。正義の主人公だからとホイホイ街を解放すればいいものでものでもなく、街の相性に合わせたメンバーで解放しなければ反対に嫌われてしまうといった徹底ぶり。

 味方だってとにかくごちゃごちゃ。人間のクラスならばソルジャーやナイト、忍者、ウィッチは当たり前。あまり聞き慣れないクラスはエンチャンターやゴエティック、ドラクゥーンにドラゴンテイマーと本当にクラスが豊富でして、人間じゃないクラスだとドラゴンやワイバーンはファンタジーのお約束。ゴーレムやケルベロスやコカトリスなどなども引き連れる事ができ、きっと他のファンタジーシミュレーションの目からすれば正義か悪かも判断に迷う独特過ぎた御一行様となるでしょう。
 …あ、その御一行様の中には悪魔や天使、妖精や狼男も混じってますよ。当然、オバケも。それともう一つ重要な事ですが、ここまで述べさせてもらった『クラス』…。こんなもんじゃぁないんですよ。とにかく多い多い。100クラス以上…と言えば大袈裟なのかな? でもそのくらい存在していても別段驚く事もない入り乱れっぷりですね。ほんと。『プリンセス』と『リッチ』の組み合わせはほんと大好きです。『ヴァンパイア』の昼間の行動はとてもお茶目です。言いたい事は数多くとも、とてもじゃないけど語れない。そんな奥深さがこのタイトルには存在し、底なんて見えませんね。あんまりにも底が見えないもので、気付けば4回ほどこのソフトを購入していましたよ。何回もクリアしてマルチエンディングを制覇し、もうやらないだろうと売り払った数年後、やっぱりやりたくなるんですよね。発表から月日が過ぎた4回目の購入時の価格は中古で200円でしたよ。
 私なら定価でも…! と言えば大ウソですが、それでも個人的には2000円出せる代物ですね。今でも。

はなうたBGM

 各ステージのマップBGMをはじめ、戦闘シーン、ボス戦闘、ワールドBGM…どれを耳にしても素晴らしい出来かと思いますね。
 自分なりのベスト3を述べるならば、オープニングの一つである『クラス紹介』、マップBGMの『天空ステージ』、そしてプレイ経験のある方なら否応なしに聞く事になる『タイトル』ですかね。でも、実は『戦闘シーン』とステージ1などに耳にする『メインテーマ(?)』なども捨て難く、この数行を描きまとめるまでに暫くキーボードを叩く手が硬直しましたよ。
 私が日常、何らかの拍子にこのタイトルのBGMを口ずさむ場合、大体はオープニングBGMに当てはまるのですが、快晴の空を目にした場合は問答無用で天空ステージになりますね。『あきのそらとおんなごころ』でしたっけ? 多分スーパーファミコンの時代で漢字を使用する場面とそうでない場面が入り別れた時代でしたので、実際の曲名が全てひらがななのかは不明ですが、画面上の表示上ではそうなっていました。
 ちなみにスタート時の名前入力に何らかの文字を打ち込むと、ゲームに使用される全BGMを聴く事が出来、同時に曲名を知ることも可能だったと記憶しています。これらはファンにとっては当然の喜びですが、視点を変えれば制作者や作曲者のタイトルに対する愛着の表れであり、ユーザーに送る絶対的な自信の表れでもあるのでしょうね。だって、単に作曲が好きなら曲名というより『ステージ01』等の№を通せば良いだけですし、BGMタイトルだっていちいちユーザーに知らせるような行為をしなくても良い筈ですから。
 とにかく込められていますよ、至る所に魂が。

だからこその『名作』

 この伝説のオウガバトル、実は発表当初は大した売れ行きでもなかったと言われています。…というか、どちらかと言えばマイナーな存在でした。まあ、こう言っては何ですが、私もクエストというメーカーが発表するタイトルには大分疎かった覚えがありますし、友人が持っていた攻略本を眺めていても、なんだか難しそうな印象しかなかったのですよね。それまでのタイトルにしたって、まず絵的に日本離れを起こした作品が多い印象でした。
 ただ、シュミレーションの性というか、マップ攻略にはそれなりの時間が掛かるため、友人のプレイ風景を尻目に私は漫画を読み漁っていたんですよね。そこで、何となく凝ったBGMという事はすぐに理解しました。
 ある時、友人がコンビニへ行くと言って部屋を出て行ってしまい、友人の部屋に取り残された私はぼんやりとオウガバトルのタイトル画面を眺めていました。ゲームとしての視点でもなんだかマジメ過ぎる印象に『映画とかにありそう』なんて思って見ていましたが、クラス紹介の場面を見たらそうしたイメージが一変してしまい、一気に買おうという気持ちになりました。
 様々なキャラターが登場する事を知り、その細かい動きに感動したためでした。細部にこだわるタイトルでハズレは稀で、どちらかというとこの伝説のオウガバトルもそんな作品の一つだったのではないでしょうか。
 正直、最終的な売れ行きは知りませんが、後に発表された『タクティクスオウガ』の購入者のほとんどが『伝説のオウガバトル』をプレイした事がある人と言われますから、やはりその期待度は嫌でも高まる作品だったのでしょうね。
 ちなみに私はこの長編大作を夏休み中に本格的初プレイしました。昼夜が逆転しても、食事を摂り忘れても、何だか金髪になってしまった友人の訪問を無視してもこのタイトルに没頭する事で、どうにかエンディングに辿り着けました。…バットの方の。

 それはそうと、購入を決定した際に友人にその事を告げたら、『お試しでやってみる?』と言われ、ステージ1を簡単にクリアしてみました。…で、セーブ。うっかり全部…。怒られました。仕方がないのでカップラーメンを買う事で許してもらいました。友人のプレイ時間、…まあ、ベッタリタイプなんで100時間は下らないでしょう。気に入らない結果だとすぐリセットしてやり直すタイプですし。そんな苦労の結晶をカップラーメン1個で済ませるなんて、心の広い友人を持って私は感激しましたよ。チロルチョコも1個オマケしました☆

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