攻略記事

ぼくのなつやすみ(プレイステーション)

思い出

『大人になってしまった、あなたに…』
 ジャケットの裏面にはそんな言葉が大きく描かれているのがなんとも複雑な心境にさせられるタイトルですね。
 夢心や冒険心というのは視野が狭いからこそ何にでも興味を惹き、なんて事のない物事にも無心になって没頭できるのが子供という存在が持つ幼心…、加えて言えば唯一無二の強みなのではないでしょうか。
 作中の主人公『ボクくん』は家庭事情から単身で山奥の親戚宅に預けられる所からスタートするのですが、夏休みを通じてホームシックに掛かる事もなく目につく世界を限られた行動範囲と時間の中で精一杯『夏』を過ごすわけです。私なら2時間後には断念したくともできない境遇に気付いて泣きわめいていそうなものですが、彼は立派です!

 日本国内に住む者であれば、その日数は違えど全国どこの学校に通っていても『夏休み』を体験するわけですが、その過ごし方は実に様々でしょう。
 様々な過ごし方はそれぞれの本人の心の奥深くに記憶として刻み込まれるわけですが、この文面を読まれる方々の幼い頃の夏休みの記憶とは如何なものでしたでしょうか? 素晴らしい思い出を持たれるのであれば言う事は勿論なく、仮に苦い思い出があったとしても、それらが連なって今現在の姿があるわけで、ある視野から眺めれば良い経験に転換出来た事でしょう。…と、願っておきます。

 このタイトルのナレーションは声優なのかな? 俳優なのかな? なんだかコメディアンの印象しかないのですが、ダンカンさんが行ったようですね。画面内に映し出される幼い『ボクくん』とはかけ離れた大人の声によるナレーションがいかにも『大人になってしまった』や『過去の思い出』という良い味を出していた印象がとにかく深く、さらに深い部分を言わせて頂くのであれば、もっと声を大きくして頂くか、音声さんに頑張ってもらいたかった! …と言ったところでしょうか…。良い味は凄く判るのですが、兎にも角にも聞き取り難くて残念でしたよ。

 そんな愚痴をこぼしても仕方がないので皆様にはたった数行前の内容を白紙撤回していただく事で先を進みます。

 私にも私なりの『夏休みの思い出』というものがありまして、『ボクくん』と比較されればどうしようもなく味の薄れたような毎日であり、もちろんながらその密度も………なんですけど、作中のボクくんの行動範囲にあった『夏休み』への印象は自分が行っていない内容であっても伝わるものがありました。
 特に冒険心むき出しに知りもしない道を伝い、地元の人ならきっと何て事も思わない場所にドキドキしてみたり、ちょっと気持ちを伝えようとすると、これが簡単ではなくてもどかしいのですが、なんとも言えない感動めいた気持が伝わってきましたね。
 私個人的にこのタイトル内でブッチギリ好印象なのが、昼間なら当たり前のように存在する『青空』ですね。
 抽象的な質問で申し訳ないのですが、今現在を大人と表現される方々は昔の『空』を覚えていますか?
 快晴であれば上を見上げるだけで眩暈を起こしそうな夏の青空…。現在のように灰色混じりのくすんでしまった青空ではありません。映画のワンシーンに出てくる大袈裟な程の青空。それが、日本の至る所で、当たり前に存在してたのですよね。
 このタイトルの中を自由気ままに走り回る『ボクくん』の見る世界は私の記憶と照らし合わせても好印象でしたが、それよりも『ボクくん』から遠そうで近くにいつも存在した『青空』に嫉妬しましたね。

はなうたBGM

 このタイトル内部に基本的なBGMは存在せず、特定のイベント発生時に短いBGMが流れる程度と記憶しています。そのどれもが壮大感溢れるものでしたが、いつでも聞けるものではなかったため残念ながら全て忘れてしまいました。
 しかし、たった今も表現した『壮大感』という印象が『子供目線』からする最も重要な部分ではないかと思います。いや、個人的な感想ですがね。

『ぼんやりとして上手く思い出せない。でも、確かに何かがあった出来事、自分にとっては重要だが、それが今後の生活に絶対に必要なものかと言われると、…実はそうでもない。…でも、それでも自分にしか分からない、大切なもの。そう、きっと…。』

 みたいな?
 いや~、馬鹿ですなぁ、私…。

ゲーム化なるかな?『私の夏休み』

 ボクくんは非常に有意義な夏休みを送った。…けど、私だって負けていない。
 という事で、私のとある夏休み体験談をここに記し、私自身が『私の夏休み』というタイトルを掲げ上げられるかどうかを判断したいと思います。

・ボクくんは知らない土地で色々と探検して回った。
:私はどーにも暇で仕方がない時に知らぬ道を歩いた。というか、迷子になりかけた。

・ボクくんは釣り竿片手に実際に川や池に赴き、実際に釣りをした。
:私は釣りを行おうとしたが、一回振ったら竿の先っぽが飛んで行ってしまい、回収不能に…。以後、2度と『釣り』を考えた事がない。

・ボクくんは見知らぬ少年と出会い、気付けばカブトムシなどを通じて遊ぶ仲になった。
:私はカブトムシとかクワガタとか…虫全般に興味がない。拾わない。探さない。デッカイのが目の前に落ちてきても気にならない。話題に上がらない。

・ボクくんは親戚宅の姉妹に積極的に近付き、子供ながらに応対した。
:私は悲運にも親戚グループの子供内では一番年上だった…。故に、私が右に行けばみんなゾロゾロ右に、左に行けばやっぱりゾロゾロ左に…。一人になりたかった…。

・ボクくんはその日の思い出を可能な限り日記にまとめていた。
:私は…自分の日記帳が二日以上埋まった記憶がなく、学校に提出した記憶も…?

・ボクくんは毎日のラジオ体操を可能な限り出席した。
:私は小学校6年通じて1日だけ顔を出した。

・ボクくんは…。
:いや、もういい! なんか思い出していて恥ずかしくなってきた!

◎結論。『私の夏休み』は駄目ダスな。

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