カトちゃんケンちゃん(PCエンジン)
思い出
PCエンジン筺体と同時の発売なのかは調べていないので解りませんが、どちらにせよ初期の発表作品には間違いない一本ですね。当時ファミリーコンピューター世代の誰の目にも印象付いたのがそのグラフィックの鮮明度、そして奥深い音楽性でしょう。ドリフターズ世代の私にとっては『志村けん』と『加藤茶』は神的存在であり、そんな人物がゲームの主人公となって操作できるとなればただ指をくわえて見ている訳にもいかないという話でした。
しかし、悲しいかな、学生の自分にはそんなお金はある筈も無く…。
で、必至の願いで行った行動は…『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』の視聴者投稿コーナーで採用されて、PCエンジン本体もろともこのソフトを手に入れるという作戦でしたが…、当時のホームビデオの価格は…むぅ~…。けっきょく、指をくわえて終わりました。
とはいえ、近所の友人が持っていたので内心で悔しい思いを抱きつつプレイ…!
ウンチやおなら攻撃をはじめとした下品な攻防は今ではきっと速攻でPTAに叩かれる素材ですが、当時はそれが良しとされた…というより、それだけ人々が平和心と寛大な気持ちを持っていたからこそ黙認されたのかもしれませんね。そして志村けんや加藤茶を筆頭としたドリフターズが『そういったグループ』という認識が世間に浸透していた証拠でもあるのでしょう。まあ、正攻法だけでは有名になれないというった証なのでしょう。…むしろ彼らはそれら『お下品』を本気で楽しんでいたようでもありましたが…。
長い前置きでしたが、ゲーム内容はいたってシンプルで、当時のハドソンが得意としていた横スクロールアクションゲームの一つと言えばそれまでですが、ファミリーコンピューターでは出来なかった細かな内容も盛り込まれており、難易度は高いもののキャラクターの影響かそれでも結構楽しんでいました。
大まかなストーリーとしては実際の番組を模したスタートですが、通常なら2人で共に行動する展開がこのゲームでは1人での進行…。残った1人が相方の妨害をステージ中で行っていたり、かと思えば無敵になれる呪文を掛けてくれたりと、一体味方なんだか敵なんだかさえ分からなくなる位置付けというのが笑えます。
それにしても、ドット絵のみでよくもまァこんなにリアルに描けたものですね。そしてお二方共に若かった。…髪…、ありますねぇ。ちなみに私は実物でもゲームでも志村けん派でした。
あと、個人的にいくら志村けんが好きと言っても、やっぱりドリフターズ5人で行われるコントが一番好きでしたね。本気でバカやっているから本当に面白かったと思いますし、逃げ隠れ出来ない生放送だからこそどんな失敗に対しても笑って許せるものだと思いました。あんな番組が放送されていた頃、日本の言われは『水と平和はタダ』という言葉でしたね。
はなうたBGM
事件事とは無縁そうな軽快な音楽が特徴ですね。気分の良い時にフンフン♪してますが、何より青空の下が妙に似合う曲だと思います。白い雲がプカプカと浮いているような、そんなシチュエーションが良く合います。ただ、残念な事はと言えば、プレイ回数が非常に少なく先の面の音楽を知らないんですよね。まぁ、時代が時代なので動画などで簡単に知る事は出来るのでしょうが、やはり思い出も大切にしたいという気持ちから未だに視聴に至っていません。
面白さには必ず裏がある
表側で知る事が出来るあらゆる物事には裏側の骨組みがあるように、面白さ一つを取っても他人には決して見る事の出来ない大きな努力があるものです。志村けんは過去に2冊…(間違っていたらごめんなさい)のエッセイを出しており、そのうちの一冊を購入しました。確かタイトルは『変なおじさん』だと思いましたが、エッセイというだけあり志村けん本人の過去談が色々と載せられていました。
本来ならばここであれこれ紹介したいのですが、まあ、さすがに触れてはいけない分野でもありますので大幅に割愛させていただきますが、お笑い芸人がモットーとする『人を笑わせる、喜ばせる』という、言葉にすれば簡単な目標の裏側には並々ならぬ努力があるワケで、この人もそうだったんだなぁ…。という言葉に尽きるものがありましたね。
志村けんとは私にとって人生初のファンになった対象でもあり、良くも悪くも以後のファンと表現できる人は出現していないんですよね。まあ、もともとテレビ観を見る事は少なかったわけですし、成人してからは尚更番組に目を通す事も無くなりましたし…。
そんな私が困る質問は、『芸能人で例えたら?』といった系統です。
話が逸れましたが、それだけ志村けんは私にとって偉大な人物であり、その人物を救った加藤茶は…もはや言葉に表わせませんね。
そして最後に…。
『呼び捨てにしてすいませんでした!』
なんだか話がおかしな事になっていますが、このソフト、『加トちゃんケンちゃん』というタイトルで、当時のグラフィック技術で誰もが『加トちゃんケンちゃん』と判ったから人気があったのでしょうね。全く同じゲームだったとしても、これが別人だったら…少なくとも私は見向きしませんでしたね。