スーパーマリオブラザーズ(ファミリーコンピューター)
毎度の訪問、ありがとうございます!
このたび『はなうたBGM』の引っ越しをする事になりましたので、下記の興味のある方は下記のURLからどうぞ。
//sueism777.com/memories-retro-game/sincere-thanks/
なお、行き先では『思い出のレトロゲーム』というタイトルになります。
再稼働を開始したばかりなので空白だらけですが、どーにかこーにか頑張ります。
なお、上記URLの本テーマはゲームとは異なり、『思い出のレトロゲーム』はそのテーマの中に存在する一つのカテゴリという扱いですので混同ないよう願います。
思い出
言わずと知れた任天堂発の今や世界タイトル…、いや、とうの昔からの世界タイトル『スーパーマリオブラザーズ』と表現した方がしっくりきますかね? まあ、誰がどうあがいてもスゴイ存在ですね。なんでも『世界の100人』とかなんとか言う『スゲェ人物』というのは日本人から2人居るそうですが、その内の1人がスーパーマリオに携わった人だとか。人類全員を並べた中の100人の内の1人ですから、その位置付けはこうやって文に表現するだけでは事足りる筈のない立ち位置なのでしょうね。もっとも、私個人的感想としては、世界から選ばれた100人の中に日本人が2人存在する事に驚きですが。 さて、『スーパーマリオブラザーズ』。実は私はさして気に留めなかったタイトルなんですよね。というのも、当時の私の好んだジャンルはシューティングでしたので、当時のシューティングゲームのお決まりの顔である『戦闘機』以外のプレイヤーキャラ以外には強い興味を持たなかったのです。
仮にこのタイトルの主人公キャラが『ナッツ&ミルク』や『チャックンポップ』みたいな一目にかわいいキャラが主人公だったら話は異なったのかも知れませんが、残念ながら幼かった私にはヒゲのおやじに気を惹かれる事は無かったのです。
そんなある日、学校から帰ってくると未開封の『スーパーマリオブラザーズ』が…?
それは親戚のおじさんが手土産に買ってくれたものだそうで、本当に突然の出来事でした。
でもまぁ現金なもので、あるものは仕方がない、自分向けの土産なら仕方がないと、しっぽフリフリで開封(うへへ…)。もともとする気なんてなかった宿題をそっちのけでプレイしてみました。
実はこの頃の『スーパーマリオ』は、その知名度を上げるのに今しばらく時間を要した頃なので周囲の友人も『知っている』程度のタイトルという認識でそれほど熱を上げていたわけでもありませんでした。…ので、事前知識なしの完全初見プレイとなり、初期の頃の自力では4-3あたりが限界となりました。
それでもプレイしてみるとずるずると引き込まれるようで、また、1UPきのこの在り処も判ってくると、少しづつですが記録を更新する事ができ、どーにかこーにか7-2に…。でも、当時のステージ構成で7-2(単純にステージ26)というのはあまりにも長過ぎ、しかも8-4が最終ステージと知らなかった自分にとっては一体どこまでクリアすれば終わりになるかも想像する事ができなく、ついにはそこで断念となりました。断念ついでに友人がこのソフトを借りたいと言ってきたので了承。その後知る事となった攻略本によるワープだの無限1UPバグだのキンタマリオだのクッパの正体だの、ステージ以外にも見どころてんこ盛りだった事を知らされました。
わかる人にはわかる? キンタマリオ。まあ、こんな呼ばれ方の発祥となるワンシーンなのですが、何かに重なったり何らかのアクション中に『そういう風に見える現象』を指したものなんですよね。ちなみにこの画像はマリオがコインシンボルの真上で止まっているシーンです。
あったんですよ。冗談を冗談で受け止める事ができ、それが世に巡る時代が。…今同じ事を笑って言えば、たちまち『教育の問題』としての標的にされる事間違いないでしょうね。くわばらくわばら…。
ちなみに『Bダッシュ』や『無限1UP(無限増殖)』なんていう言葉が出現したのもこのタイトルからでしたね。
タイトル画面の次に有名だと思われるカット。スタート直後の様子。ここで残機を失うのは、きっと誰もが通る道…。そしてこの現象はビギナーからプロまで類を選ばない。
はなうたBGM
思い出も何も、知名度があり過ぎて説明する必要もない気がしますね。でも、強いて言うならばメインとして流れる地上ステージの音楽でしょうか。軽快なノリは凶悪な難度を無視しており、後半ステージにおいては集中するあまりBGMをプレイヤーが聞き入れない現象もしばしば…。でも、最後まで聴くと結構味があるんですよね。…と、褒めておきながら、実は私のお気に入りは水中ステージだったりします。ワープばかりしていると聴く機会が全くないのが難点ですね。…あ、8-4で一部水中ステージがありましたね。…のんきに聴く暇は無いでしょうけど。
ピーチ姫を助けた際のエンディングBGMも印象深いですね。…マリオが小さくなければ…。
…そう、マリオが小さくなければ…。これじゃカッコつかない…。ピーチ姫の方が強そう…。
覚・醒・☆ そしてごめんなさい。
このタイトルの様々な隠し要素を知った私は覚醒したのです。そして悟ったのです。『これは正攻法でプレイしちゃいけないゲームなんだな』…と。
まあ、ゲームをしても良い時間が限られた小学生時代、まともに一面一面クリアしてたら疲労以前に親の目が光り出しますからね。さっさと土管利用で最終ワールドまでぴゅーんと行っちゃいましょう☆ というスタイルに。
最後の8-4ではループに少々手こずりましたが何とか攻略でき、なんか背の高いピーチ姫を無事救出出来ましたとさ。
…で、そうした『ワープ攻略』も慣れると8-4クリアまで…確か5分を切る時間で終了させる事が可能となり、ワリと得意気にそうしたクリアを暇つぶし…というよりは他のゲームをプレイする前の余興みたいな感じでクリアしてた時期があったのですよね。
話は変わりまして、近所のゲームセンターには通常アーケードゲームのほかに低コストで遊べる家庭用ゲームをアーケード筺体っぽくしたものも存在したのですが、通常のアーケードと異なる点は、1コイン(50円)で20分間のフリープレイが楽しめるところです。つまり、何度ゲームオーバーになっても20分はやり直しが出来ますので、難度が高くて1プレイに100円を出したくない人向け…といった存在でしたでしょうか。
ただ、これには一つ難点があって、『エンディングを迎えるまで』という別の制約も加えられていたんですよね。
スーパーマリオブラザーズも8-4をクリアすればエンディング到達となるわけで、その画面になれば時間がどれだけ残されていても一切の操作を受け付けなくなります。言うまでもなく延々と微動だにしないマリオとピーチ姫が画面に鎮座するわけですが、クセの悪い事に追加クレジットは受け付けてしまうんですよ。
先程も記したように、私は何かしらのゲームをやる前に『余興』程度の気持ちで取り敢えずクリアするものですから、20分という制限時間は全く気にならなかったのですよね。ひとまず50円を入れて、ひたすらのBダッシュと猛ジャンプで勝手知った敵を障害物を穴を避けまくり、きのこ一個を取る事もなく8-4の斧をズコーン…! はい、クリア。残り15分は画面内でラブラブしてなさい。みたいな流れです。私はさっさと本命ゲームに足を運ぶわけです。
そんなある日、いつものように『余興』を終えて別のゲームをやっていると、
『出来ないよお兄ちゃん…』
『これ壊れてるー…』
とかなんとか、何やら困った声が幾度となく聞こえてくるではありませんか。あまりにも困惑したような声が暫らく続いていたものでそちらを見やると…?
4枚一気投入で80分間、兄弟が占領状態…、これってマナー違反? いやいや、世間一般ではそうかも知れませんが、ここのその筺体に触れるのはもともとその兄弟だけでしたから、どれだけ占領されても誰も何も咎めない。むしろお店の売上貢献に感謝したいくらいであって、強いてはそれに手を出した私が珍しい類なのですよ。それにしても、あの状況をどうしたものか…。
私の頭の中に勝手なストーリーが描かれる。
余裕のない彼ら兄弟の家計はファミコンに手が届かず、トータル的にはマイナスと分かっていても我が子の楽しみの為に日々母親が100円ずつの計200円を2人に渡す。
兄弟は家から離れたゲームセンターへ毎日のスーパーマリオブラザーズに夢を希望を癒しを求めつつ、今日は一体どんな冒険が待ち構えているのかと意気揚々と夕方前の傾いた太陽の下で笑顔の会話をする。
住宅街を抜け裏通りを抜け大通りを抜け、そうしてようやく辿り着いたいつもの寂れたゲームセンター。そしてその内部に兄弟たちをいつも空席で迎える赤いボードに包まれたアーケード風家庭ゲーム筺体…。
兄弟は気付かなかったのだ。少し注意し、少し目線を上げ、少し耳をすませば…、恐らく一瞬にして状況を理解出来ただろうに、きっと彼らはいつものように50円玉投入口ばかりに目を這わせてしまったのだろう。
兄弟が自ら手に入れた80分と、恐らく私が残したであろう約10分の計90分間という、何もする事がなければ途方もなく長い時間を無駄にするに至ってしまったのだ…。はっきり言って地獄だ。自らの余興のために幼い彼ら2人に80分もの地獄を与えてしまったのだ。しかも私の残り時間のオマケ付き♡
えーっと、あの状況は私のせいですか?
自らの念を兄弟に送ってみる…。もちろん、そんなの届くワケがない。兄弟の状況を知ってからというものの私もゲームに集中する事ができず、無残なゲームオーバー。
さて、どうする?
言ってみれば名も知らぬ単なる常連のミス。どうして同じ客の自分がそこに介入しようものか…? でもなぁ、火付け役になっちゃったしなぁ…。なんか忍びないなぁ…。オーナー出てこないかなぁ? でも、それっぽい人、ここで見た事ないんだよなぁ…。絶対あの兄弟、90分間あのままの状態だよなぁ…。下手すると泣いちゃうかも知れないよなぁ。方向間違えたら筺体に蹴りとか入れるようになって壊しちゃうかもしれないなぁ…。200円(+50円)で数万円の弁償? 警察来ちゃう? 彼らにとって理不尽な出来事が発生した『とある日常』である『今日』という日がトラウマになっちゃう? グレちゃう? 変な方向で学校で有名になっちゃう? 近所で肩身狭くなっちゃう?
とにかく私は無い脳ミソをフル回転させて彼らの今現在から来てしまうかもしれない近未来を思って憂鬱になってしまった。それもこれも全ては50円から始まった自らの余興によるものである…。(アホだ…)
そんで決心! 自分勝手に気まずい空気に包まれ席を立つ。もし状況を知る友人が見てれば死ぬほど白々しい動作と笑顔で『どうしたの?』と尋ねる。即座に反応した兄弟のうち、兄らしき男の子がたどたどしい様子で私に状況を説明する。…うん、けっこう日本語になってないけど、手に取るように流れは分かったよ。不思議な話だね?
スペシャルな善人面をした私はこの上ない『困った顔』を作り上げ、兄弟に尋ねた。
『うーん…、機械の調子が悪かったのかな? 20分しかゲーム出来なくなるけど、それでもいいなら直してみる?』
我ながら最高の微笑みだったと思う。そして脳裏のどこかしらで『悪党』という文字が何故か形成された…。
兄弟の答えは驚きを混ぜつつ当然のようなYES。まるで自分が神になった錯覚さえしそうな2人の目の輝き…。ああ、罪だ…。
自分で何を伝えたかは既に忘れたが、多分、2人が入れたお金は無効になる…みたいな内容だったと思う。そしてその承諾をもらうと私は迷わず…いや、ちょっと躊躇したかな? とにかく秘儀を繰り出した。スパコーンとコードを引っ張ってコンセントを抜いたのだ。失われる画面上のマリオとピーチ姫の存在。
次いで差し込み口まで進み、再びコンセントを差し込む。そこで疑問が…。
(筺体のスイッチ…、筺体内部でいじるタイプかな?)
心配は不要だった。当時のアナログ機器なんて『ON状態』なら間違いなく『ON状態』のままなのだ。この筺体もそこに位置していた。間違いなくアナログだった…!
絶対この中にファミコン入っているだろう!? と声を上げたくなるほどの見慣れた立ち上がり。この店でもそうだが家でも頻繁に行う事で見知った、それは見事な立ち上がりをこの筺体は我々に見せつけた。
早速レバーに手を掛ける兄の方。しかし、当然ながらまだ早い。
私は『おまけ。これで20分できるよ』と、自分の50円玉を一枚投入する。…と、ここで切っておけば、問題ありながらも一応は『良い話』に終わるのだが、この50円、このゲームセンターで拾ったものだった…。自分が誘発した問題に他人の落とし物を使って解決する偽善者。…なかなか巡り合わせられるものではない…。
その数分後、私はきっと受け入れてはいけない兄弟の発する『ありがとう』を背中に受け、そのゲームセンターを立ち去った…。
…と、そんな出来事がありました。
ところでこれ、何の話でしたっけ???
ちなみにこの頃のクッパって緑色じゃなかったんですね…。