カダッシュ(アーケード)
思い出
RPG要素が非常に高い、アーケードゲームにしては少々珍しいタイプのゲームでしたね。というのも、冒頭に記した通り、RPG要素がふんだんに盛り込まれており…というか、盛り込み過ぎのような感すらあり、レベルアップと同時に体力や攻撃力が上昇するのはもちろんの事、装備を揃えたり道具を買う事で上限はあるものの、とにかくキャラを強く育てる事が可能なゲームです。逆手をとって言えば、キャラの成長が上手い具合に進まなければどのステージも困難を極めるのですが、テンポ良く上がるレベルは簡単にゲームオーバー画面には変わることなく、宿屋を利用する事で体力や魔力も回復する事が可能です。
当然、お金が投入されてなんぼのアーケードゲームなので、強制的にゲームオーバーへと導く時間制限はありますが、この時間すらまでも冒険で手に入るゴールドで購入が可能です。…え? ゴールド? スクロールを利用して敵を倒す事で無限に手に入りますよ。…時間さえ気を付ければネ。
…とまあ、とにかくサービスてんこ盛り状態のタイトルでしょうね。
だから当然、回を重ねて腕を上げればワンコインで1時間近くプレイする事も可能であり、強制スクロールでもなくダンジョンをウロウロ出来るので、人によってはわざわざクリアしないでねちねちとゴールド稼ぎをする人も居たようですね。
だからなのか、ゲームセンターではほとんどこのタイトルを見る事はありませんでした。まあ、店側の立場を考えれば解らなくもない話ですね。ワンコインで延々と遊ばれてしまうのですから。
話は変わり、私の好みは僧侶でした。攻撃力こそ他の戦士・魔法使い・忍者の3キャラに劣るものの、長いリーチと貫通性でカバーできましたし、なんと言っても回復魔法やあらゆるダメージを4回無効化するシールドの存在は非常に大きく、特にシールドを発した状態で攻撃を受けた際にはノックバックも発生しないため、細かい計算とタイミングを強要される妨害ゾーンであっても、無敵時間を利用する事で容易く越える事が可能だったのです。こりゃラクチン! 凡ミスさえしなければ迷路のような最終ステージもすんなりボスまでたどり着けますね。
実際の人気キャラは戦士と忍者に集中していたようですが、敵の妨害を受けてイラつく私には僧侶がピッタリでしたね。
こんな感じの戦闘シーン。RPGなので、お使いを頼まれたり謎解きもします。…あ、ちなみにメインはアクションです。
買物だってしまいます。宝箱だって漁っちゃいます。敵が出すアイテムも戴きます☆
はなうたBGM
王国の危機が背景だからなのか、爽快とはとても言い難い感じのBGMに仕上がっていますが、『RPG』という言葉を念頭に置けば、いい感じにマッチする独特なBGMですね。先の見えぬ、それでも続く戦闘という感じがし、どのステージにおいてもどこか不安を誘うような仕上がりかと思います。また、違った角度から察するとすれば、別世界のおとぎ話のような…。そんな感じですかね。でも、RPGらしい意識も伺える事ができ、例えるなら町を歩く時のBGMや、妖精の森を彷徨うBGM、そして短いのですが、敵の居城に渡る時にアイテムを使用する事で流れるBGM等々がとにかくRPGしていますね。しかもリアルっぽいファンタジー。
きっと初めて聞けば『う~ん…?』となるでしょう。でも、進めるうちに『なるほどね』と思う筈です。このゲームは『アクション』として見てしまうと、それだけで面白さが半減してしまうのかもしれません。そんな雰囲気のあるBGMです。
お好み焼きはマヨネーズ付きで!
このカダッシュ、中学生当時に行っていた駄菓子屋さんに設置されていました。もともとシューティングオンリーだった私としてはカダッシュのデモ画面の雰囲気に馴染めず遠目に眺めていたのですが、やり始めると意外と奥深いゲーム性にのめり込んでしまいました。
…で、上にも記したように、少し慣れると長時間ゲーム出来るようになるので、食べ盛りという事もあってかプレイ中でもお腹が減るわけです。
この駄菓子屋さん、昔はちょっとした大衆居酒屋みたいな構えだったらしく、その名残で店には屋台で見る様な大きな鉄板があったのです。当然、使用可能であって、子供向けとはいえ低価格の焼きそばやらお好み焼きやらを作る事が出来たんですよね。
私はどちらもあまり好みではなかったので…というか、作れば失敗を繰り返していて嫌煙していたのですが、ある時、手が空いてればお店のおばちゃんが作ってくれる事を知り、いつの間にか毎回作って頂く事になっていました。
手が空いている時に作ってもらえるという条件は、カダッシュのような長時間のプレイ時にはもってこいの話でして、プレイ中に『おばちゃん!』と呼び掛け、メニューというか、お好み焼きに入れる具材を伝えます。
すると、おばちゃんは適当な合間を見計らって作ってくれます。一般的には誰のものでも出来上がったお好み焼きを『ここに置いておくからね』と告げられ、片っ端からテーブル上に並べられるため、複数で頼んだ場合に目を離しているとどれが誰のものか判らなくなってしまいます。…ですが、私の場合はマヨネーズを付けるため、毎回『マヨネーズ付けるの?』と尋れられる事で自分のものが完成した事を知る事が出来ました。
ゲームプレイ中で顔を向ける事こそできませんが、『ありがとー!』と返し、僧侶を安全地帯に誘導する事でめでたく作ってもらったお好み焼きを手元に運ぶ事が出来るのでした。目印もマヨネーズです。
とはいえ、結局はプレイ中…。食べるのはプレイ後なので、ほとんどは冷め切ってから食べる事になるのですがね。それでもまあ、思い出の味です。
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