魔界塔士 SA・GA(ゲームボーイ)
思い出
ゲームボーイ初のRPGとして発売されたゲームと覚えています。当時の私はRPGに『面倒なお使いゲーム』という認識があってか、買うという判断までになかなかの時間を要しましたが、周囲の期待の声があまりにも高かったためか、その流れに流される感じで購入したタイトルです。
不慣れなRPGに対し、どこに行って良いかすら判らず過去に投げ捨てた『ドラゴンクエスト』を思い出しつつ不安な冒険の始まりでしたが、容量の少なさが幸いしてか思った以上にサクサク進めた感が強く、気付けばどこまでものめり込んでいた自分がいました。
お気に入りの武器はレイピアでして、その『レイピア』がどんな武器かも知りませんでしたが響きが気に入っていましたね。
知る事になったのは随分と後の話ですが、装備した武器には熟練度のようなシステムが影響し、やがて壊れる武器に対してあらかじめ購入するなどをし、ずっと使い続ける事で弱い武器でも能力以上の攻撃力を発揮させられるようです。
そんな理由で私はどれだけ強いと表現される武器を手にしても、実際の与ダメージがレイピアのそれよりも低いと知れば即座にレイピアに持ち替えるのですが、レイピア以外の武器を使用した時点で熟練度がリセットされるため、次のレイピアによる与ダメージは目を見張るほどに弱いものとなります。熟練度が再スタートされるわけなので当たり前の話ですが、私がそれを理解していなかったために出た答えは『バグ』。そう、これはバグ現象によるものなんだと…。
以後、私は再スタートするなりレイピアを決して手放す事は無く、そのままのノリで最終ボスの『神』に挑んだのでした。めでたしめでたし。(チェンソーの凶暴性を知ったのはもちろん更に後の話です)
…モンスター…、扱いにくかったなぁ…。
そうそう、ゲーム途中に発生するクイズイベントはランダムっぽいですね。エンディングまでに1度きりしか発生しないイベントなのに凝った演出です。
はなうたBGM
私にとって自ら『買おう』という意識に基づいて購入した初のRPGというだけあって、真剣性を高め、責任を持って、SA・GA内部の世界に平和を取り戻す覚悟で挑んだ結果、どの曲も印象強く残るに至りました。どの曲も印象に深いわけですから、『どれがいいの?』と尋ねられた場合は正直困りますね。
『やはりメインフィールド上の曲』とも言えますし、フロアボスというか、朱雀や玄武などとのバトルシーンも良いですし、ちょっとおどろおどろしい通常戦闘の曲も良いんですよね。ラストボスの神との戦いだって、その神が待ち構えるフィールドだって…うーん、本当に悩む…。仕方が無いのでごちゃごちゃ曲が混ざったエンディングでいいや♪ …みたいな? 脳内再生の時もそんな感じですしね。
…ま、それでも好きな曲を選ぶとすれば、インパクト十分な戦闘開始から始まる玄武などの対ボス戦。次いでは物寂しげというか不穏というか、そんな雰囲気の背景とマッチする神の居る空間ですかね。
何度もクリアしたいRPG
基本的にRPGを毛嫌いする私ですが、それには私なりのきちんとした理由があってのことです。その理由の中でとりわけ強い割合を占めるものがプレイ時間…とでも言えば良いのでしょうか。RPGに登場するプレイヤーの成長にはたくさんの敵を倒し、『経験値』と呼ばれるスコア代わりの数値を上昇させる事でレベルアップしていくものが大半ですが、『作業』とも呼べるこの一連が私は苦手なのですよね。
ステータス表を開いて残り経験値を確かめてフィールドに出て既に見飽きた敵と戦闘して…。という流れ。
目標に到達して次の新天地を目指せば、もう戦う必要もないのにドンドコ敵に出遭って…あぁ…、もう帰るぅ~…みたいな感じに襲われて…。
その辺で比較するとSa・Gaシリーズのほとんどは秀逸ですね。私にとって。
面倒な経験値概念を省いたのか目に見えなくしただけなのか、まぁ、恐らくは乱数の設定によるものだと思うのですが、どこでも上がる能力というか、どこで上がるか分からない能力というのか、戦う度に何かしらステータスに変化が起こるようなシステムは『次は何が上がるのかな? HPかな?』みたいなわくわく感が高まり、逆に敵に遭うのが楽しみになった事を覚えています。
ソフトのメモリーの関係が原因でしょうが、他のRPGと比較しても少ないフィールドは私個人が飽きる前に物語の終焉をきちんと迎えてくれますし、選べる主人公システムの方も毎回異なるストーリーを描いているようで(実際は同じですが)、はっきり言って何度クリアしたかなんて覚えていない程です。
当時存在しなかった言葉で表現するならば、『サクサク感』というやつなんでしょうね。
その後、私は幾つかのRPGをクリアするに至りましたが、手にしたSa・Gaシリーズほど何度もクリアしたタイトルはありませんでしたね。
ちなみに今回のタイトルである『魔界塔士Sa・Ga』はゲームボーイによる発売でして、その後に続編が発表されましたが、初代への愛着が強すぎたため振り向く気さえ起きませんでした。以前にもお話ししたかと思いますが、『続編』と名の付くほとんどにおいては前作と似ても似つかぬ内容になっている印象が強く、新システムの導入によって自分の持つ世界観が損なわれてしまう事が多いからです。人が何と言おうと自分の中の『名作』は『自分の認めた名作』に留めておきたいため、情報誌や噂などで少しでも違和感を覚えてしまうと手が出せなくなるのですよね…。まぁ、冒険できないタイプなんでしょうね、私…。
冒険できないと言えば、終盤で出現する『ガラスのけん(つるぎ…だっけ?)』、凄く気になるネーミングの武器でしたが、あれだけ何度も繰り返しプレイした割には一度も使用した事が無かったのですよね…。なんともったいない…。
こちら、有名な神の一撃死の瞬間。ラスボスらしからぬ死に様ですが、実際の真剣勝負は初めの一撃を与えた側にこそ、ほぼ勝利が確定するものなのです…!